追想 〜人間不信の始まり①〜
あれは幼稚園の頃だったと思う。
すでに親からの純粋な愛を受けられないまま成長していた崩れやすい心は、違和感の伴う試みにぶつかることになる。
それは、初めてできた家族以外の身近な存在からやってきた。近所の友達二人。(仮にAくん、Bくんとしよう)
彼らとよく3人で遊んでいた。
時々どちらか一方と二人だけで遊ぶこともあった。
ある時Aくんと過ごしていたら、Bくんの話になり、彼は次第にBくんの嫌いなところを私に訴えてきた。
その勢いはいよいよ増して行き、同意を求めて来るようになった。
「なぁ、お前もそう思うだろ⁉︎」
Aくんは年上だったことと、その場の逆らえない雰囲気に押され、私はついに同調してしまう。
同調するまでので鬼気迫る空気は消え、彼の表情や口調は穏やかになり、私は安堵したのを覚えている。
別の日にAくんに誘われて家に遊びに行くとBくんがいた。何となく気まずい思いをしながら和に加わろうとすると、思わぬ展開が待ち受けていた。
続く